東京不動産投資計画および分析レポート

最近の商業不動産市場の動向
近年、中央銀行は商業不動産(CRE)の借り手と貸し手にとってストレスの源となっています。頑固なインフレーションを抑制するため、FRBをはじめとする多くの中央銀行は予想よりも長く高金利を維持しています。これは中央銀行の使命の一環ではありますが、その結果、商業不動産の借り手は負債の増加という直接的な困難に直面し、さらに流動性の低下やキャップレート(資本化率)の上昇による評価額の低下という間接的な問題にも直面しています。

現在、短期金利はピークを迎えたように見え、長期金利は緩やかに低下傾向にあります。一部の人々は、この動向がリーマンショック後の量的緩和政策がもたらした急激な回復を連想させるかもしれませんが、実際にはそうではありません。市場では、フォワードカーブが示す実質金利は2021年の水準より200~300ベーシスポイント(bps)高くなると予測されており、高金利が続くことが見込まれています。さらに、不動産価格は2021年のピーク時よりも約40%低下する可能性があると見られています。

地政学的リスクと気候変動の影響
加えて、地政学的リスクも存在します。ウクライナや中東での紛争、米中間の緊張関係、さらには今年の重要な選挙がさらなる不確実性をもたらしています。それに加えて、気候変動への関心の高まりが不動産投資や開発に直接的な影響を与えています。

投資機会と不動産市場の展望
こうした不確実性は流動性への圧力を持続させていますが、一方で包括的な投資機会も生み出しています。カスタマイズされたソリューションを提供できる資本と専門知識を持つ投資家にとって、プライベートマーケットにはシニアデットからメザニン、優先株に至るまで幅広いチャンスがあります。また、現在の市場のボラティリティは、不動産投資の4つのセグメント(公的株式、プライベートエクイティ、公的債務、プライベート債務)で相対的価値の機会を創出しています。さらに、長期的な基本的要因から見て、一部のセクターや地域は引き続き魅力的です。不動産市場全体の流動性圧力を考慮すると、今が投資の魅力的なエントリーポイントであると言えます(図表1参照)。

図表1:世界の不動産ヒートマップ – 2024年と2023年展望(セクター別・地域別)
図表1
PIMCOによる不動産市場分析
これらのポイントは、PIMCOが5月に開催した第2回グローバル不動産投資フォーラムで総括されました。このイベントでは、世界中の投資専門家が集まり、商業不動産市場の短期および長期的な展望について議論しました。PIMCOは世界最大規模の商業不動産投資プラットフォームの一つを有しており、300人以上の投資専門家とともに、約1900億ドルの不動産資産を運用しています。このような資産運用の専門知識が、投資家にとって大きな強みとなっています。

資料提供:2023年および2024年PIMCOグローバル不動産フォーラム

TOP